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はんどハントレポ③「探すはんど」編

石見安達美術館ではんどや石見焼きの「昔」にふれたので、次ははんどの「今」にふれるべく、「赤瓦とはんどの町」と謳われる島根県江津市の波子町(はしちょう)へ。白い砂浜と青い海と赤い瓦屋根のコントラストが絵みたいだなと、車で通るたびに思っていた場所です。しまね海洋館アクアスの最寄り駅もこの町にあります。

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車をおりて町の中を歩くと、現役で働くはんど達がお出迎えしてくれました。耐水、耐酸、耐寒に優れるはんどの性質を知ってか、野ざらしにされているもの多数。忘れられて放置されていそうなものも多数。雨水がたまっているものや、半分以上地中に埋まったもの、民家の軒下で並べられているもの、意図してかせずかわかりませんが、とにかく町中にゴロゴロしていました。良い意味で「扱いが雑」。

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哀愁すら感じます。

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民家周辺を少し離れて、山手の方を散策してみると、こちらにもたくさんのはんどがありました。苔むしたものや地中に埋まってるものなど、年代を感じるものが多く、比較的大きいサイズのものが多かったです。山の上の方の畑などは、いまも水道設備がなさそう。みずのたまったはんどの横に柄杓が置いてあるということは、水やりに使われているのかなと思いました。

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山の中で、よくこんなにたくさんのはんどを発見できるなと、自分たちでも思います。波子町が「はんどの町」でありはんど率が高いことと、私たちのはんどアンテナがだんだん冴えはじめたこと、そしてもうひとつ、多くのはんどや石見焼きに使われている赤茶色の釉薬「来待釉」が、自然の中でとても目を引くからというのもあります。派手ではないけれど緑との相性がとてもよく、また雨風にさらされ時間がたっても色あせにくいのだなと実感しました。

波子の町を後にして、次は石見銀山・大森の町へ。移動途中に猿の大軍に遭遇する(猿30匹で人間2人だったのでこわかった。。)というハプニングに見舞われましたが、無事に到着。

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美しい大森の町では、お店や民家の玄関あたりに飾り用として使われているはんどを多くみかけました。このエリアでは、日用品としてよりも少しだけ嗜好品よりの使われ方をされている気がしました。石見銀山への観光客が多いのも、その理由のひとつなのでしょうか。形も、波子や浜田のほうと少し異なり、スレンダーなものもよくみかけました。

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こちらは白い釉薬の鉢。はんどとは形状が違いますが(火鉢みたいな形)こんな風に花器として使われているのもとても素敵でした。サイズも小ぶりで、角が丸くなっています。

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時間を見つけては繰り出し、見たりふれたり学んだりしているはんど。思い描いた通りのこともあれば、想定外のこともあります。石見焼きの特性、職人さんたちの思い、私たちの狙い、デザイナーの発想、お客さんのニーズ、流行と普遍性。いろいろなことを考えては捨て、捨ててはまた拾い上げながら、あーでもこーでも少しずつ進んでいます。

井上